ものづくり補助金は、中小企業が生産性向上や技術革新を目指す際に、導入する設備やシステムの費用を支援する重要な制度です。ここでは、2024年の第18次締切における最新の公募要領をもとに、申請手続きの流れや補助金の詳細を解説します。
1. ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、中小企業が新たな製品・サービスの開発や生産プロセスの改善、省力化設備の導入を通じて、生産性を向上させるための資金を補助する制度です。特に、革新的な技術やデジタル技術(IoT、AI、ロボット技術など)の導入が求められます。
2. 補助金額と補助率
ものづくり補助金の補助金額と補助率は、事業規模や従業員数によって異なります。以下が第18次締切の補助額と補助率の詳細です。
- 従業員5人以下:最大750万円(補助率1/2)
- 従業員6〜20人:最大1,500万円(補助率1/2)
- 従業員21〜50人:最大3,000万円(補助率1/2)
- 従業員51〜99人:最大5,000万円(補助率1/2)
- 従業員100人以上:最大8,000万円(補助率1/2)
大幅な賃上げに取り組む事業者の場合、補助上限が引き上げられ、従業員5人以下の事業者は1,000万円まで、100人以上の事業者は最大1億円まで補助されます。
3. 補助対象となる経費
補助金の対象となる経費には、次のようなものがあります。
- 生産設備の導入や更新に関する費用
- デジタル技術を活用したシステムやソフトウェアの開発費用
- 革新技術の研究開発費用
- 省エネ設備や環境負荷低減装置の導入費用
ただし、汎用的な機械やソフトウェアは補助対象外となるため、オーダーメイドの専用システムや設備を導入する必要があります。
4. 申請の流れ
ものづくり補助金の申請は、以下の流れに沿って進めます。
ステップ1: GビズIDプライムの取得
ものづくり補助金の申請は、電子申請システム「jGrants」を通じて行います。このため、GビズIDプライムを事前に取得する必要があります。申請までに時間がかかるため、早めに取得手続きを進めましょう。
ステップ2: 事業計画書の作成
申請には、具体的な事業計画書が必要です。生産性向上の目標、導入設備やシステムの革新性、費用対効果を示す計画を練り、5年以内に成果を上げることが求められます。
ステップ3: 電子申請
事業計画書が整ったら、電子申請システム「ものづくり補助金ポータルサイト」から申請を行います。申請には、事業者情報や補助対象となる経費の詳細を正確に記載する必要があります。
5. 審査のポイント
提出された申請書は、以下の基準に基づいて審査されます。
- 事業の革新性:導入する設備やシステムの技術革新がどれだけ顕著か
- 事業の実現性:計画が現実的かつ実行可能か
- 地域貢献度:事業が地域経済や社会にどれだけ貢献するか
これらのポイントが満たされていると、補助金が交付される可能性が高まります。
6. 注意点
ものづくり補助金を申請する際は、以下の点に注意しましょう。
- 申請書の記載内容に不備がある場合、不採択になる可能性が高くなります。記載内容を正確に記載し、必要な書類をすべて揃えて提出しましょう。
- 補助金を受けた後の事業進行や報告義務があるため、計画通りに進めることが重要です。
- 補助対象経費を適切に管理し、不正使用を避けましょう。不正が発覚した場合、補助金の返還を求められる可能性があります。
まとめ
ものづくり補助金は、中小企業が革新的な設備や技術を導入し、生産性を向上させるための重要な支援策です。最大1億円の補助金を活用することで、事業の競争力を大幅に強化することが可能です。詳細な公募要領や申請方法については、公募要領のPDFをご覧ください。