2024年10月20日

事業再構築補助金がおすすめできない理由

事業再構築補助金は、中小企業が新規事業に挑戦するための支援制度として注目されています。しかし、この補助金は、申請から採択までに多くの課題があり、すべての企業にとっておすすめできるわけではありません。この記事では、事業再構築補助金を申請する際に気をつけるべき理由を詳しく解説します。

1. 提出書類が多すぎる

事業計画書の膨大な内容

事業再構築補助金を申請するには、事業計画書を含めた多くの書類を提出する必要があります。通常の補助金に比べて、提出書類が非常に多いことが一つのハードルです。事業の具体的なビジョンや実行可能性を示す必要があるため、計画書には事業の詳細な分析や市場調査、財務計画が含まれます。

財務関連書類の準備が煩雑

特に、財務関連の書類は細部まで求められることが多く、企業がこれを揃えるには大きな負担となります。事業の進行具合や予算執行の内容を証明するため、請求書や契約書、支払い明細など、多数の補足書類が必要です。

2. 採択難易度が高すぎる

競争の激化

事業再構築補助金は非常に人気が高く、応募者数が多いため、採択の競争が激しくなっています。採択率が低いのが現状であり、多くの企業が申請しても不採択となってしまうケースが多々あります。

ビジネスモデルの独自性が重視される

採択されるためには、他社との差別化が明確であり、成長が見込める新しいビジネスモデルを提案することが求められます。したがって、高度な事業計画が必要であり、採択されるのは難易度が高いと言えます。

3. 申請手続きのサポートを外部に委託すると高い経費がかかる

外部委託のコストが高額

多くの企業は、自社内で補助金の申請書類を作成することが難しく、外部のコンサルタントや専門業者に申請を委託することがあります。しかし、この場合、高額な費用が発生する可能性があり、申請が不採択となった場合でも、委託費用はかかるため、リスクが伴います。

成功報酬型のリスク

一部のコンサルタントは成功報酬型で報酬を受け取る形を採用していますが、事前の着手金が発生することが多く、不採択となった場合に大きな経済的負担を抱える可能性があります。

4. 採択後の事業実施で交付取り消しのリスクがある

交付取り消しのリスク

たとえ採択されたとしても、事業実施後に交付が取り消されるリスクがあります。補助金の交付は、申請内容通りに事業が実施され、経費が適切に支払われたことが確認されてから行われます。しかし、経費が支払われた後に事務局によって交付が取り消されるケースがあり、この場合、企業は自己負担で経費を賄う必要が生じます。

適正な事業進行が求められる

補助金の申請後、事業の進行が計画通りに行われていない場合や、報告書に不備があった場合、交付が取り消されるリスクが高まります。特に、経費の支払いが適正に行われているかどうかは、厳密に監査されるため、少しのミスでもリスクを伴います。

5. 事務局に対して申し立てをすると訴訟リスクがある

申し立てや異議申し立てのリスク

補助金が不採択になった場合や、交付取り消しになった場合、事業者は事務局に対して異議申し立てを行うことができますが、これにより訴訟リスクが発生する可能性があります。補助金をめぐるトラブルは法的な問題に発展することがあり、企業は訴訟費用や時間の負担を強いられることがあります。

法的リスクの管理が必要

異議申し立てが法的な訴訟に発展することもあり、弁護士の対応や裁判費用がかかるリスクが存在します。特に、補助金の取り消しや不採択が経営に大きな影響を与える企業は、このようなリスクに直面しやすいと言えます。

まとめ

事業再構築補助金は、確かに新規事業やビジネス拡大に役立つ制度ですが、提出書類が多く、採択の難易度が非常に高いため、すべての企業にとっておすすめできるわけではありません。特に、外部に申請サポートを委託すると高い経費が発生し、採択されない場合でもコストがかかります。

また、交付取り消しのリスクも存在し、事務局に対して異議申し立てを行うことで訴訟リスクが発生する可能性もあります。補助金を使わなくても新しい事業をスタートできる企業は、申請してみる価値があるかもしれませんが、「補助金が出るなら新規ビジネスをやってみよう」という軽い気持ちでは、リスクが高いためおすすめできません。